不二先輩という天才と私という凡人

 

 

 

 

おたくの大好きな自分語りのお時間である。

 

 

 

 

 

 

 

特にやることもなくめちゃくちゃ暇だという方のみお付き合いください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唐突だが、私は天才に強烈な憧れをもっている。

 

 

理由は私が天才ではないからである。

 

 

私が明確に己の中にある天才への憧れを自覚したのは、他でもない不二先輩がきっかけだった。

 

私は、何事も努力をしなければできるようにならない人間だ。どんなことでも、己の神経を究極に尖らせてあらゆることにアンテナを張り、繰り返し繰り返し反復することで自分自身へと叩き込まなければできるようになれない。それでも、できるようになれないこともある。特にスポーツに関してはどんなに頑張ろうと壊滅的にできるようになれなかった。その代償なのか、勉強の方は努力すればするだけ結果が出た。それでも、努力は必須だった。どんな科目でも、中学生になっても高校生になっても、努力しなければ何もできるようにならなかった。

 

だから限界まで努力した。全力を出しきるために。

もう無理だ、これ以上を求められるのなら私は諦めざるを得ない、でも、それでいい、そう思えるところまで、努力した。そうやって生きてきた。

それしか取り柄がなかったのだ。だから捨てられなかった。努力できることだけが唯一の取り柄なのだ、私にとって。

 

だからなのだろうか、私は自覚した中学生の時から今になっても、天才に対する憧れを捨てられない。

 

別に天才は努力しなくていいから楽でいいなとか、そんな失礼なことを思っているわけではない。

 

努力しなくても「できる」とはどういう世界なんだろう、そこに生まれる葛藤とはどんなものなのだろう。そこにとても興味があり、それを経験したいという願望があるのだ。

天才とは努力という次元を超えた先にいる存在だと思っているので、それを経験せずとも見る世界とはどう見えるのだろう、また、努力の人間である私自身が努力のストーリーは他人と共有するものではないと思っている節があるので、それを体現してみせたテニプリ、中でも不二先輩に、強烈に強烈に惹かれた。私はテニプリを読むまでスポーツ漫画が全く読めなかったのだが、その理由はスポ根漫画というのは大抵の場合選手の努力や葛藤を暑苦しくくどくどと描いていて、そこがどうにも好きになれなかったからだ。でも、テニプリにはそれがなかった。各々が切磋琢磨して己自身を磨いていっていることは強烈に伝わってくるのに、その描写が非常にあっさりとしていて、努力を想像する余地を残してくれていたのだ。

 

決して不二先輩が努力していないというわけではないのだが、あの人にはおそらく努力をしているという自覚が無いと私は思っている。そしておそらく、天才とはそういうものなのだろう、私は天才ではないから分からないけれど。

あの人にあるのは、手塚国光というテニスプレイヤーへの強い強い執着だ。殆どそのためだけに、あの人は己の技術を磨いている。他の誰でもない、手塚国光なのだ。己を超える更なる天才であり、己にない努力という自覚を持って技術を磨き、己が、周囲から天才と認められる己が、完璧と認める天才、手塚国光。そういう世界を不二先輩は見ている、そう、私は思っている。

 

羨ましかった。たまらなく、たまらなくそれか羨ましかった。

私は、努力を超えた先にある世界を一度も見たことがないから。

そしてそれを見ている不二先輩が私にとってあまりに魅力的でかっこよくて、同じ世界を私も見たいと思ってしまったから。

 

でも、どう足掻いても私は、不二先輩と同じ景色を見ることはできない。分かっている。そんなこと分かっている。所詮私は努力をせねば何もできぬ凡人だ。

 

分かっているからこそ余計に惹かれるのかもしれない。おかげさまで出会ってから10年以上経った今でも、不二先輩は私にとって文字通り王子様だ。テニプリには他にも天才キャラは多く存在するが、やはり1番好きで憧れるのは不二先輩である。おそらく、一番最初に出会ったのが大きいのだろう。他校でも大概天才キャラが好きである。

 

例えば氷帝学園では忍足侑士が好きなのだが、これも彼が天才であることに由来している部分が大きい。しかも、あの努力の塊である跡部景吾のお墨付きである。決して私と跡部様が同じように努力の人間だなどとのたまうわけではないのだが、跡部様は、彼だけが、強いと言われる3年生の中で唯一無我の境地が使えない。だから、私は跡部様を勝手に努力の人だと思っている。その人が認める上に、やはり私がこういう人間だからなのか、読んでいて分かるのだ、忍足侑士は天才なのだと。私が憧れた世界を見ている人間なのだと分かるのだ。

 

きっと私はこれからも天才に憧れ続ける、努力しかできない凡人なのだが、それを分かっていてもこの憧れを捨てられないし、不二先輩は私にとってやはり永遠の王子様であるのだろうと思う。

 

 

彼が本当の意味で手塚国光に勝利し、ラケットを置いてコートを去る、その瞬間まで。